めぐり逢う世界

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白倉林道~中ノ尾根山~合地山北東尾根―南ア深南部横断 1日目

2015年11月21日(土)

毎年この時期は南ア深南部を歩くことにしています。去年は南ア深南部を奈良代山から池口岳へ縦走したので、今年は文字通り横断することとしました。今回はラボの後輩の清水との山行です。

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前夜mamepyonさんに白倉林道ゲートまで送っていただき、少し歩いた黒沢橋の前でテント泊。白倉林道はゲートまでは聞いた通りの悪路でしたが、ゲートから先はむしろ案外立派な林道でした。mamepyonさんがいなければこの山行は困難なものとなっていたと思います。本当にありがとうございます。

6:55、黒沢橋発。黒沢橋は踏板が腐っていたり、抜けていたりする箇所が多い。知り合い曰くこの先で林道が崩れていて、黒沢山に取り付くのは危険だったとのこと。林道を早々に外して斜面を上がったがロープを3回出したとのことでした。この日は日帰り装備らしきおじさんが自転車で橋まで来て一人で黒沢山方面へ向かって行きました。

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8:32、1時間ほど歩くと中ノ尾根山登山口の休憩小屋に到着。ここまで何箇所か林道脇で水を汲むことができます。一番近いところで登山口の500m手前辺りにありますが、その先にはもうずっとありません。
この辺りでもう一人の単独登山者に出会い、行程をお聞きしました。中ノ尾根山~合地山~黒沢山~シャウズ山北西尾根という周回路を取るらしい。「静岡の山(山と渓谷社)」を開いていたが、合地山が取り上げられていて笑ってしまう。各県の山の中では静岡の山という本は、後で確認してみたらガンカク尾根も載っていたりと明らかに異色でした。

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9:12、中ノ尾根山登山口を出て、樹林帯の中を上がっていく。林道から最後の展望を得た後はしばらく展望はない。

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中ノ尾根山登山道は踏跡明瞭で、ツガ、ウラジロモミの心地よい緑の樹林帯を上がっていく。深南部であってこの踏跡の明瞭さにはかなり驚いた。

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深南部は針葉樹が素晴らしい樹林帯を形成しているので、この前の女峰山の勉強を活かし、更に勉強していく。マツ科モミ属にはモミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソが存在するが、この順で標高の低いところから存在している。モミ属の特徴は葉が茎につく部分(葉枕)が吸盤のようになっているが、中でもウラジロモミは小枝に縦縞が入っているので見分けがしやすい。葉先は2つに分かれるがモミほどは分かれず、触っても痛くない。因みにモミは痛い。そしてこれよりも低い標高に存在することが多い。ウラジロモミは葉の後ろが白いことから名が付いたそうだが、ここから見分けるのは僕には難しかった。モミ属と分かったなら枝を見れば一発だろう。ウラジロモミはどこの山にも存在し、優しい樹林帯を形成してくれているので、僕の心を洗う存在の一つだったことが今更ながら判明した。

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ウラジロモミ

マツ科ツガ属にはツガとコメツガが存在するが、ツガの方が低山帯に、コメツガの方が高山帯に存在する。この違いを見分けるのはかなり難しい。ツガ属自体は葉枕が枝先に向かって持ち上がり気味であることから簡単に判断ができますが、ツガとコメツガの明確な違いは小枝が無毛であるか、有毛であるかしかありません。コメツガは小枝が有毛であり、葉がとても短くてかわいいので慣れてくれば区別することができるでしょう。因みに下の写真は葉が長く不揃いだったりするのでツガです。

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ツガ

少し笹が出てきました。ツガ林は落ち着きがあってよいですね。

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マツ科トウヒ属は山では基本的にはトウヒだけを覚えておけばよいです。トウヒは下の写真で見るからに特徴的で、葉枕が非常に発達しており、枝と同じような色を成しています。

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深南部はナギが多く、標高の割に意外と展望がよいところが多かったりします。

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そんな深南部らしい風景。

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中ノ尾根山が近づいてくると腰下くらいの笹に覆われる。

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本日目指しているお山「合地山」の4つこぶも見えてきました。

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青空が気持ちいい。初深南部の清水も感激でした。

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笹と立ち枯れ、トウヒの織りなす深南部らしい風景。楽園です。

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11:58、中ノ尾根山到着。昨年の同連休に続き、2度目の中ノ尾根山。水窪(浜松市)の最高峰です。

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12:17、早速ですが、中ノ尾根山を出て深南部の中心にあって西の主稜線からも東の主稜線からも外れた最もアクセスの悪い山、合地山に向かいます。

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しかし、その中ノ尾根山~合地山の登山道は案外踏跡もあり、マークもありでとても驚きました。注意点は下りで中ノ尾根山からタケナギ沢方面、標高1806m点に向かう南東尾根に吸い込まれてしまわないことです。普通にまっすぐ下って行くと吸い込まれていってしまうので、標高2250m辺りで北東尾根に直角に方向を変えます。合地山へ向かう途中から加加森山~光岳と背後には聖岳が見える箇所もあります。

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ところでコメツガ帯に入っていました。コメツガはツガよりも高山帯にあり、葉が短く長さは概ね揃っていて、小枝には薄毛が生えています。葉枕は裏側を見ればモミ属とは違ってかなり特徴的なのがわかりますね。

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コメツガ

コメツガちゃんは葉っぱがとてもかわいいです。

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合地山へ倒木のない穏やかな稜線を行く。平和ですね。

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合地山1峰への登り。ここで唯一のまともな藪漕ぎがあり、若干苦労しますが、それも短い間です。下りでは誤った方面に下って行ってしまう可能性もあるので注意です。

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14:37、合地山1峰通過。ここではテント泊可能。ここから合地山2峰へ向かう途中で、登山口で別れた単独者に再度お会いする。シャウズ山北西尾根についてお尋ねすると、特に記録があったわけではなく「適当w」とのこと。猛者だ。

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14:58、合地山2峰(最高峰)に到着。深南部最奥の憧れのお山でした。

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合地山2峰でもテント泊可能ですが、1峰の方が快適そうです。

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さてここから柴沢吊橋へ向かうため、道なき道の合地山北東尾根へ。藪漕ぎ要素はないが、初め急坂に倒木があったりと慣れていないと少し苦労する。こういうところだと同行者と3倍以上の差が付き、待っては進みの繰り返しでした。

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合地山北東尾根も山頂付近の急坂が落ち着いてくるとサクサク下れます。この辺りからは同行者に先に行かせてみたりもしました。

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最後、この日は途中で暗くなってしまったので、柴沢吊橋に下るのは諦めて標高1202mピーク付近で幕営することとしました。ここにはかつて小屋のあった跡が多く残されていました。

続きは柴沢吊橋~ムギウネホツ~光岳―南ア深南部横断 2日目にて。

コースタイム

前夜 0:55白倉権現ゲート-1:28黒沢橋
当日 6:55黒沢橋-8:32中ノ尾根山登山口9:12-11:58中ノ尾根山12:17-13:53合地コル14:00-14:37合地山1峰-14:58合地山2峰15:14-17:30標高1202mピーク
歩行時間 9時間13分、行動時間 10時間35分

ルート図

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標高グラフ

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累計標高(+) 1881m、累計標高(-) 1525m、距離 17.9km

コース状況

  • 白倉林道~中ノ尾根山登山口
    林道崩れ箇所はなし。水は登山口少し手前に何箇所か汲むところがあります。
  • 中ノ尾根山登山口~中ノ尾根山
    笹が出るまでは踏跡明瞭な登山道。笹が出てから稜線までは笹の中に踏跡あるが、稜線に出てから中ノ尾根山までは不明瞭箇所もある。しかし、基本的に歩きたいところを歩ける。危険箇所はなし。
  • 中ノ尾根山~合地山2峰
    踏跡薄くなるものの合地山2峰までずっと踏跡、マークが続いている。合地山1峰の登り始めでやや藪漕ぎがある程度。笹の背は低いため、漕ぎ要素はほぼない。
  • 合地山2峰~北東尾根~柴沢吊橋
    踏跡、マークともになし。最上部の下りがかなり急で倒木も多いので慣れていないと中々標高が落とせない。同行者との間でかなり差が開くことがあった。ルート自体は基本的に北東向きに進み、標高1455mピークで進路を北向きに変えることと、標高1320mピークで進路を東向きに変えることを考えておけば大丈夫。永野氏の本では標高1320mピークから北西尾根を降りているが、林道が崩壊しているように見えた千頭山吊橋よりも先の林道に降りてしまうため、あまりオススメできない。標高1202mピークからは北東向きの尾根を進み、崖にぶち当たったら東側の斜面を下るとすぐに林道である。水は寸又川に降りて汲みます。合地山北東尾根の標高点のあるところは大体がテント泊適地です。
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