めぐり逢う世界

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炭水化物の代謝調節のまとめ

暇ではないけど箇条書きでまとめてみる。暇な人は復習にいいかもしれません。

グルコースの細胞への取り込みなどについて

脳や肝臓、赤血球でのグルコースの取り込みはインスリンに非依存的に起こるが、骨格筋細胞と脂肪細胞ではインスリンの刺激によって加速される。インスリンが細胞表面の受容体と結合すると、膜小胞の内側にあったグルコース輸送タンパク質(GLUT4)が細胞膜と融合し、グルコースの輸送効率が上昇する。

グルコースをリン酸化する酵素はヘキソキナーゼだが、肝臓ではこの反応をグルコキナーゼというアイソザイムが触媒する。グルコキナーゼはヘキソキナーゼよりもグルコースに対する親和性がずっと小さい、すなわちKmがずっと大きい。

通常の血糖値はグルコキナーゼのグルコースに対するKmよりも小さいので、肝臓は血糖値が高いときにだけグルコースをリン酸化して、それを解糖系やグリコーゲン合成経路に入れることによって対応する。血糖値が低いときにはグルコキナーゼよりもKmの小さいヘキソキナーゼをもつ脳やその他の細胞がグルコース利用の優先権をもつことになる。

ヘキソキナーゼは生成物のグルコース 6-リン酸によってアロステリックに阻害されるが、グルコキナーゼは通常濃度のグルコース 6-リン酸によっては阻害されない。

グリコーゲン分解と合成の調節について

ホルモンの刺激がない場合、グリコーゲンホスホリラーゼは脱リン酸化状態のb型で存在し、不活性型である。これはAMPによってアロステリックに活性化され、ATPと生成物から生じるグルコース 6-リン酸によってアロステリックに阻害される。

以下、グルカゴンは血糖値の低下で、アドレナリンは緊急時に放出されるが、グルカゴン受容体は肝細胞にしかないことに注意。

グルカゴンとアドレナリンはcAMPの濃度を上昇させる。cAMPはアロステリックにプロテインキナーゼA(PKA)を活性化し、この酵素が酵素のリン酸化を行う。cAMPの濃度が下がると、プロテインホスファターゼが働いて、酵素は脱リン酸化される。

cAMPの濃度が上昇すると、グリコーゲンホスホリラーゼのb型がリン酸化されて、活性型のa型となる。a型はAMPがなくても最大活性を示す。すなわち、グルカゴンとアドレナリンによって、グリコーゲン分解は最大限に促進される。

cAMPの濃度が下がると、グリコーゲンホスホリラーゼのa型は脱リン酸化されて、不活性型のb型に戻る。

cAMPの濃度が上昇すると、グリコーゲンシンターゼはリン酸化されて不活性化される。すなわち、グルカゴンとアドレナリンによって、グリコーゲン合成は抑制される。

インスリンがあると、グリコーゲンシンターゼは脱リン酸化されて活性型になる。すなわち、インスリンによって、グリコーゲン合成は促進される。

解糖系と糖新生の調節

フルクトース 6-リン酸がホスホフルクトキナーゼ1(PFK1)が触媒する反応によってリン酸化される段階が、解糖系独自の最初の段階なので、ここで様々な調節がなされる。

PFK1は基質のAMP(ADPから生成)とフルクトース 6-リン酸によってアロステリックに活性化され、生成物のATPによってアロステリックに阻害される。また、クエン酸回路の流れが小さくなることによって蓄積するクエン酸によっても阻害される。

PFK1が触媒する反応とは逆の反応を触媒するフルクトース-1,6-ビスホスファターゼはAMPによってアロステリックに阻害される。すなわち、解糖系はAMPによってアロステリックに活性化される一方で、糖新生はAMPによってアロステリックに阻害される。

フルクトース 2,6-ビスリン酸は、PFK1の強力な活性化剤であり、これはホスホフルクトキナーゼ2(PFK2)が触媒する反応によってフルクトース 6-リン酸から作られる。同時にフルクトース 2,6-ビスリン酸はフルクトース-1,6-ビスホスファターゼの阻害剤でもある。

PFK2は脱リン酸化されているときにはフルクトース 2,6-ビスリン酸の合成反応を触媒し、リン酸化されているときにはフルクトース 2,6-ビスリン酸の加水分解反応を触媒する珍しい酵素である。

グルカゴンがあると、肝細胞中のcAMPの濃度が上昇し、PFK2がリン酸化されて、フルクトース 2,6-ビスリン酸は加水分解される。したがって、グルカゴンがあると、PFK1が阻害されて解糖系が止まり、糖新生の方向へ向かう。

アドレナリンによってもcAMPの濃度は上昇するが、筋細胞のPFK2はリン酸化部位を持たないので、フルクトース 2,6-ビスリン酸は加水分解されない。したがって、アドレナリンによって筋細胞の解糖系が止まることはない。むしろ促進される。

PFK1が触媒する反応によって生成するフルクトース 1,6-ビスリン酸はピルビン酸キナーゼをアロステリックに活性化するので、PFK1を活性化すればそれに伴って解糖系最後の反応を触媒するピルビン酸キナーゼも活性化される。これはフィードフォワード調節の例である。

グルカゴンがあると、肝細胞中のcAMPの濃度が上昇し、ピルビン酸キナーゼがリン酸化されて不活性化する。したがって、グルカゴンがあると、PFK1が阻害されて解糖系が止まり、糖新生の方向へ向かう。

アドレナリンによってもcAMPの濃度は上昇するが、筋細胞のピルビン酸キナーゼはリン酸化されない。したがって、アドレナリンによって筋細胞の解糖系が止まることはない。

ピルビン酸デヒドロゲナーゼの調節

ピルビン酸デヒドロゲナーゼは、糖代謝からクエン酸回路と脂肪酸合成に入る段階、すなわちピルビン酸からアセチルCoAを生成する不可逆な過程を触媒する。代謝経路調節の観点からは最も重要な位置に相当するといえる。

ピルビン酸デヒドロゲナーゼはその基質によってアロステリックに活性化され、生成物によってアロステリックに阻害される。

ピルビン酸デヒドロゲナーゼはまたATP濃度が高いと阻害される。この調節は直接に起こるものではなく、ATP濃度が高いとピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼが活性化され、ピルビン酸デヒドロゲナーゼはリン酸化されて不活性化する。

また、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼもピルビン酸デヒドロゲナーゼの基質によって阻害され、生成物によって活性化される。すなわち、ピルビン酸デヒドロゲナーゼは二つの方法で基質によって活性化され、生成物によって阻害される。

クエン酸回路と酸化的リン酸化の調節

NAD+がNADHの形で多量に存在すると、基質不足でクエン酸回路のデヒドロゲナーゼ活性が抑制される。

同様にADPがATPの形で多量に存在すると、電子伝達系は抑制される。これは呼吸調節と呼ばれる。

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